栄養改善法による栄養成分表示基準

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はじめに

 食生活が豊かになるにつれ、栄養の過多摂取による肥満、糖尿病などの成人病が増加するなど、健康維持のための食生活のコントロールがますます重要になりつつある。反面、包装食品等の栄養成分表示については食品メーカーによって表示方法が異なり、また、「低カロリー」、「塩分ひかえめ」、「ビタミン強化」などのあいまいな表示が多く、消費者の混乱が指摘されてきた。そこで、消費者が食品に含まれる栄養成分や熱量がすぐにわかるように、わかりやすい表示方法の統一が必要になってきた。平成8年5月24日に施行された栄養改善法による栄養成分等表示方法はこのような目的で改正された。平成10年3月31日には猶予期間も終わり、栄養表示をするすべての包装食品は改正後の表示方法になっていなければならない。ただし、栄養表示は強制ではなく、食品の容器包装や添付説明書に栄養成分や熱量を表示する場合に適用される。これから栄養表示をしようという時のため、栄養表示基準について要点をまとめた。

適用範囲

 以下の栄養成分または熱量に関する表示を邦文により行う場合に適用される。
@熱量
Aたんぱく質
B脂質
C炭水化物
D無機質(カルシウム、鉄、カリウム、リン、マグネシウム、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、 ナトリウム)
Eビタミン(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミン B2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタ ミンK、葉酸)

 また、これらを示唆する一切の表現が対象となる。ただし、原材料名として栄養成分のみが表示される場合、「ビタミン飴」、「ミネラルウオーター」のように品名の中に一般名称として栄養成分名のみが表示される場合、他の法律により義務づけられた栄養成分の表示を付す場合は適用外となる。味覚に関する表示(うす塩味、甘さひかえめなど)は対象にならないが、あま塩、うす塩は対象になる。ポップ、ポスターによる表示は対象からはずれる。
 一般消費者に販売される食品、学校給食、病院給食は対象となり、業務用の加工用材料、鶏卵を除く生鮮食料品は対象とはならない。

表示の方法

 次の項目をこの順序で含有量を表示すること。
・熱量
・たんぱく質
・脂質
・糖質(炭水化物から繊維を除いたもの.食物繊維を表示しないものにあっては、当分の間、炭 水化物を記載することができる.)
・ナトリウム
・栄養表示された栄養成分 

表1に示した表示単位で、100g当たり(個体)、100ml当たり(液体)、1食分当たりなどと表示する。1食分当たりと表示する場合は、その量をあ わせて表示しなければならない。「1枚12gあたり」、「1食分30gあたり」など。
・水などを加えて食べる食品(粉末ジュース、粉末スープ、等)については販売時の栄養成分量で表示する。
・セット販売され、一緒に食べる食品(即席めんとスープなど)については合計値を表示する。(あわせて個々の表示をすることもできる)
・表示する場所は容器包装を開かないでも容易にみることができるように記載すること。
・表示された含有量については、消費期限または品質保証期限の期間中、一定値で表示してある場合はその誤差の許容範囲内、また下限値と上限値で表示してある場合はその幅の中に含まれていなければならない。
・含有量が0であっても表示事項の省略はできない。
・表示事項は原則として8ポイント以上の活字で記載すること。(表示面積が100cu以下の場合 は5.5ポイント以上の活字で記載する)

表1.表示の名称と表示単位

表示名称 使用してもよい別名 表示単位 誤差範囲
熱量 エネルギー kcalまたはキロカロリー -20%〜+20%
たんぱく質 蛋白質、タンパク質、たんぱく、タンパク gまたはグラム -20%〜+20%
脂質     gまたはグラム -20%〜+20%
糖質(又は炭水化物)     gまたはグラム -20%〜+20%
食物繊維     gまたはグラム -20%〜+20%
カルシウム Ca mgまたはミリグラム -20%〜+50%
Fe mgまたはミリグラム -20%〜+50%
ナトリウム Na mgまたはミリグラム -20%〜+20%
ビタミンA VA IUまたは国際単位 -20%〜+50%
ビタミンB1 VB1 mgまたはミリグラム -20%〜+80%
ビタミンB2 VB2 mgまたはミリグラム -20%〜+80%
ナイアシン    mgまたはミリグラム -20%〜+80%
ビタミンC VC mgまたはミリグラム -20%〜+80%
ビタミンD VD IUまたは国際単位 -20%〜+50%

表2.栄養成分を多く含んでいることを強調する表示

 

 

栄養成分

高、多、豊富、強化、増などの表示は以下の基準値以上であること @源、供給、含有、入りなどの表示

A高などの相対表示(増加量)

@Aについて、以下の基準値以上であること

食品100g当たり

( )内は飲用に供する食品100ml当たり

100kcal当たり 食品100g当たり

( )内は飲用に供する食品100ml当たり

100kcal当たり
食物繊維 6g(3g) 3g 3g(1.5g) 1.5g
たんぱく質 14g(7g) 7g 7g(3.5g) 3.5g
カルシウム 180mg(90mg) 60mg 90mg(50mg) 30mg
3mg(1.5mg) 1mg 1.5mg(0.8mg) 0.5mg
ビタミンA 600IU(300IU) 200IU 300IU(150IU) 100IU
ビタミンB1 0.3mg(0.15mg) 0.1mg 0.15mg(0.08mg) 0.05mg
ビタミンB2 0.42mg(0.21mg) 0.14mg 0.21mg(0.11mg) 0.07mg
ナイアシン 5.1mg(2.6mg) 1.7mg 2.6mg(1.3mg) 0.9mg
ビタミンC 15mg(8mg) 5mg 8mg(4mg) 3mg
ビタミンD 30IU(15IU) 10IU 15IU(8IU) 5IU

表3.栄養成分等が少ないことを強調する表示※2

 

 

 

栄養成分

含まない旨の表示(無、ゼロ、ノン、レスなど)をする場合は以下の基準値未満であること @低い旨の表示(低、軽、ライト、ひかえ め、低減、カット、ダイエット、オフなど)は以下の基準値以下であること

A低減の相対表示(低減量)は次の基準値以上であること

食品100g当たり

飲用に供する食品にあっては100ml当たり

食品100g当たり

( )内は飲用に供する食品100ml当たり

熱量 5kcal 40kcal(20kcal)
脂質 0.5g※1 3g(1.5g)
飽和脂肪酸 0.1g 1.5g(0.75g)
糖類※5 0.5g 5g(2.5g)
ナトリウム※3 5mg 120mg※4(120mg)

※1 「ノンオイルドレッシング」について、脂質の無、ゼロ、ノンなどの表示については脂質の「0.5g」未満を当分の間「3g」とする。
※2 「不使用」、「無添加」は含まない旨の表示には該当しない。
※3 減塩や食塩カットという食塩の表示はナトリウムの基準が適用される。
※4 しょうゆのナトリウムについて相対表示するときは、同種のしょうゆに比べて低減割合が20%以上であること。
※5 糖類とは、糖質のうち単糖類(ぶどう糖など)と二糖類(ショ糖、乳糖)に限り、吸収されにくい糖アルコール(マルチトール、エリスルトールなど)を除いたものをいう。

強調表示について
 強調表示には栄養成分を多く含むことを強調する表示(補給ができる旨の表示)と栄養成分の量が少ないことを強調する表示(適切な摂取ができる旨の表示)があり、またそれぞれに絶対表示と相対表示の基準が定められている。

(絶対表示)
 栄養成分に、高、低、減などを表示する場合で、含有量が表2表3の基準値以上、以下、未満であること。
 数値の表示は一定値でも、熱量90〜105kcalのように下限値および上限値でもよい。

(相対表示)
 別の食品と比べて栄養成分が高い、あるいは低いという表示で、比較対象品名、増加量(増加割合)または低減量(低減割合)を示す必要がある。

例:「自社従来品○○○に比べて糖類40%カット」、「四訂日本食品標準成分表掲載の○○○に比べて食物繊維100%増」など。

実際の表示例

ポークソーセージ(ウインナー)

牛乳1本分(約200cc)相当のカルシウム入り
栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー 289kcal 糖   質 6.8g
たんぱく質 12.6g ナトリウム 840mg
脂   質 23.5g カルシウム 240mg

清涼飲料水

     低カロリー&低糖
栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー 17kcal ナトリウム 10mg
たんぱく質 0.2g 糖   類 2.4g
脂   質 0g オリゴ糖 0.1g
糖   質 8g ビタミンE 0.8mg

こんにゃく

四訂日本食品標準成分表掲載のこんにゃくに比べて食物繊維100%増      
100g当たり栄養成分表
エネルギー 0kcal 糖   質 2.2g
たんぱく質 0.1g ナトリウム 10mg
脂   質 0g 食物繊維 5.3g

  なお、基準を遵守しない場合に厚生大臣の講じる措置として、基準に従い必要な表示をすべき旨の指示をし、この指示に従わないときは社名または商品名が公表される。


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