包装食品における過大包装とは何か

 このページの最後に移動

 はじめに

過大包装といえば箱詰めされたギフト商品やみやげものを思い浮かべる。近年、行政によっても適正包装および過大包装の基準が示されており、業界の自主規制も整備されつつある。また、消費者の目も厳しくなっているので過大包装は少なくなったが、まだ、これはまずい!というような商品を見かけることもある。適正包装とは何か、何が過大包装なのかを理解し、消費者から注意や批判を受けることのないようにしなければならない。

適正包装とは

過大包装を考える前に、適正な包装とは何かを列挙してみると以下のようになる。
1.輸送中および保存中、内容品の保護または品質の保全が適切であること。
2.包装材料および容器が消費者に危害を及ぼすことのない安全なもので
   あること。
3.
必要以上の過大な包装でないこと。主として内容量および包装費が適切であること。
4.
省資源及び廃棄物処理の観点から見て適切な包装であること。
 5. 包装品の表示や説明、その他消費者の適正な商品選択を妨げない包装であること。

過大包装の基準

 過大包装について、農林水産省などの行政で定めている定義はないが、観光土産品の公正競争規約に(過大な包装の禁止)として「その内容量を誤認されるおそれがある容器又は包装を用いてはならない。」と定めている。さらに、「原則として、その内容量は、容器包装の3分の2以上であることを目安」とすることなどを規定している。現在ではアイスクリーム、チョコレートなど17の公正競争規約で「過大包装」の禁上について規定している。

 大阪市消費者保護条例、京都市消費者保護条例、神戸市消費者協会による過大包装追放運動等も参考にすると、以下のものが過大包装品ということになる。
1.空間容積(包装容積から内容品体積を控除した容積をいう。)が包装容積の20%以上(神戸市では15%以上)であるもの
2.包装経費(商品の販売価格から内容品の販売価格を控除した額をいう。)が内容品の販売価格の15%以上であるもの
3.「あげぞこ」,「がくぶち」,「めがね」,「あんこ」,「えんとつ」,「十二単衣」等の方法により内容品を実質以上に見せかけているもの
4.二次使用機能(内容品の保護,内容品の品質の保全等の一次的機能を果たした後の使用機能をいう。)を偽装したもの
5.商品の詰め合わせ,抱き合わせ等により空間容積又は包装経費が必要以上であるもの

包装経費率の算出方法

 包装経費率は、次の算出方法により算出する。

   (包装経費/商品全体の販売価格)×100

空間容積率の算出方法

(包装容積)

1.直方体の包装については,その実質の容積を算出する。
2.外箱及び内箱から成る直方体の包装については,内箱の縦及び横の長さ並びに高さを測定して容積を算出する。ただし,内箱の高さを超えて内容品が収納されているときは,その収納された状態において最も高い内容品の部分の高さを内箱の高さとみなして算出する。
3.1及び2により難い包装については,その形状等を考慮して容積を算出する。

(内容品体積)

1.直方体の内容品については,その実質の体積を算出する。
2.円すい形,円筒形等の内容品については,当該内容品を収納することができる最小の直方体の体積を当該内容品の体積とみなして算出する。
3.1及び2により難い内容品については,その形状等を考慮して体積を算出する。

(計算例)

表1.空間容積率計算例

内容品

10p×10p×18p=1800cm3

外箱

10p×12p×20p=2400cm3

外箱−内容品=空間

2400cm3−1800cm3=600cm3

(空間÷外箱)×100=空間容積率%

(600cm3÷2400cm3) ×100=25%

 

過大包装の例

アゲゾコ

 内容物の保護又は品質保全の限度を越えて、外見から容易に判明することができないように、容器の底をあげること。

コムソウ

 内容物の保護又は品質全体の限度を越えて、容器のふたを大きくすること。

ガクブチ

 

  内容物の保護または品質保全の限度をこえて、外見から判明することができないように、額縁状の広い巾の縁取りをほどこすこと。

十二単衣(ひとえ)

   内容物の保護又は品質保全の限度を越えて、内装を重ねること。

メガネ

 

   容器または外装に切り抜きをし、中が見える部分のみ内容物を入れて、全体に入っているかのようにみせかけること。

アンコ

 

   内容物の保護または品質保全の限度をこえて、容器の底または個々の内容物の間に紙片、木毛など(アンコ)を詰めること。

エントツ

 

   包装の中に必要以上の空洞を作ること。

袋の場合の過大包装とは

 袋包装における過大包装か否かの判定は箱詰め品ほど容易ではない。フレキシブル包装では空間容積が定まらない、フイルム構成がわからないので、外観からは包装コストがわかりにくいなどのためである。しかし、箱を袋に置き換えて空間容積(内容量)や多重包装について、ある程度の判別は可能である。トレー使用品、個装品、機能性付加品などは要注意である。また、量的には袋の寸法と内容量から判断することもできる(サンコーテクニカルレポート第118号「袋の大きさと適正内容量」参照)。

・内容量
 粒状、粉末、ヒネリ品、液体などの場合、袋の上部をつまみ、内容品が下に沈んだ状態で上部空部の長さを測ることによって適正かどうかを判断することが多い。充填部の長さ3分の2くらいが適正で、2分の1が限度と思われる。
 市販品数点を調べてみた(表2)
空率30%でも十分でないと感じることもあるが、ウインナーソーセージの場合は明らかに内容量が少ないと感じた。また、背中部にマジックカット加工されており、袋上部は折りたたんで結束されていた。

表2.市販品調査

 

 

内容品

(g)

(mm)

 

(mm)

 

(%)

ピロー個装キャンデー袋

92

170

55

32

490

クラッカーガゼット袋

50

200

70

35

148

レトルトカレーパウチ

210

160

50

31

318

ウインナーソーセージ袋

140

220

130

59

X

812

V=(a/2)×(a/2)×(b−(a/2)) ただし、b≧a
V:適正容量(ml) a,b:袋の辺の長さ(cm)

・バリヤー性(保存性)
 必要以上のバリヤー材を使用しない。品質保持期限の2〜3倍程度の保存性を限度とする。アルミ蒸着や透明蒸着フイルムは設計通りのバリヤー性に調節できないことが多く、オーバースペックになりやすい。それでもコスト的には問題にならないことが多い。

・強度
 破袋防止、形状保持などの物理的な保護機能をフイルムだけに頼ると過剰になりやすい。必要以上にフイルムを厚くしたり、4層以上も積層することになる。段ボール詰方法や輸送方法にも工夫が必要である。スタンドパックなどを除いて100μ以下、保護機能層として3層構成までが標準と考えられる。

・機能性付加
   携帯性、開封性、再利用性など、必ずしもなくてもよい機能性をつけすぎていることがある。

・商品性(外観)
   商品の外観は売り上げに影響するが、差別化を強調しすぎると過剰包装の印象も強くなる。

・包装経費
 見ただけでは材質はわからないので包装経費も判断しにくい。軟包装においても包装経費は15%以下が適正と考えられる。

 このように袋包装でも過大包装になる危険性は多い。適正包装を心がけることで包装経費を低減できるかもしれない。

(参考資料)

 図等は以下のホームページや資料から引用しました。
 ・全国公正取引協議会連合会ホームページ
 ・大阪市消費者保護条例
 ・京都市消費者保護条例

 


このページの最初に移動

前のページに戻る