包装食品のための金属検出機

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はじめに
  X線異物検査機は金属以外に石、ガラス、骨、硬い樹脂片などの異物混入も発見できるが、金属検出機(金属探知器)は金属片のみの検出である。しかし、有害異物として混入する危険が最も多いのは金属片であり、摂取した場合に健康上の危害を与える確率も高い。また、X線異物検査機にくらべて装置が安価なので、金属検出機を導入しているメーカーは非常に多い。アルミ蒸着フイルムによる包装品はもちろん、最近はアルミ箔複合包材にも対応した検出機が開発されており、感度もずいぶん高くなっている。
 
金属検出機の原理
 金属を検出する検出部は一つの発信コイルと2個の検出コイルで構成されている。
 測定されるものはその上下コイルの間を通るが、検出部の中には磁界が発生している。 検出コイルには通常発信コイルから同じ量だけの磁界(磁束)を受けるようになっている。 しかし、通過させた物が金属等の電気を通すものであると磁界を乱し、2つの受信コイルに磁界の差が生じる。 その差を信号としてとらえることにより検出できる。
 例えば、鉄のような磁性体が磁界の中を通るとそれ自体が磁化され、磁界を発生する。そのため発振コイルからの磁束と合わさる形になり磁束密度が増加する。その際、2つの検出コイルの磁束量に差ができて検出できる。一方、磁界中に銅・アルミなどの非鉄金属がはいると非鉄金属の中に過電流が流れ、発信コイルからの磁力線とは反対の向きの方向に磁力線が発生する。 そのため、検出コイルの一方側は減少された磁束を受け取ることになり、やはり
2つの検出コイルの磁束量に差ができて検出できるのである。
 
<金属検出の原理(「食品包装便覧」より)>
 
金属検出機の種類と選択の注意点
 金属検出機は広く普及しているだけあって、非検査物の種類、大きさ、形状などに対応したいろいろなタイプが販売されている。
 以下、適切な機種選択と、金属検出機の性能を最大限に発揮させるための、いくつかの注意点を列挙する。裏面にはX線異物検出機との比較表を示した。
▽磁性体である鉄には感度がよいが、SUSや真ちゅうなどの合金には感度が落ちる。
▽針金、ワイヤーブラシ片などの細いものは検出機を通る角度によって感度が変化する。
▽漬物、味噌など、塩分、水分が多量に含まれているものは電解電導によって導体化されているので検出がしにくいことがある。
▽アルミ蒸着包材には対応していないタイプから、アルミ箔包材にも使用できるタイプがある。包装材が変わると機種の変更も必要になることがある。
▽非検査品の形状、大きさによって検出部の高さと巾を設定することも重要である。
▽検出機のベルトコンベアは、前後の工程と釣合いが取れた通過速度を調整できるタイプがよい。
▽HACCPや衛生性を考慮した洗浄性の高いものが必要な場合もある。
▽小物・バラもの、箱もの、大型商品用などのタイプがあり、複数台の検出機が必要になる。
 以上のように、検出機の原理と弱点をよく理解し、適切な機種を撰び、さらに、設置後も定期的にテストピースで性能をきめ細かく調整する必要がある。
 
金属検出機の最近の動向
・アルミパウチ対応の装置が開発され、普及しつつある。
・塩分や水が存在しても問題なく検出できる装置も 開発され、販売されている。
・オートチェッカー一体型も多い。2台別々に購入するよりも効率がよく経済的である。
・最近は感度アップと共に、HCCP対応や、メンテナンス性、操作性の向上が著しい。
 以下、アンリツ産機システム(株)の最新式金属検出機であるKD8200AWを紹介する。
 
<アルミ包材用金属検出機本体>(アンリツ産機システム凱シリーズKD8200AW
 
<アンリツ産機システム階D8200AWの規格>
形名 KD8200AW
通過高さ 30mm、40mm、50mm、60mm
最大通過幅 230mm
検出感度※ Fe球 φ0.6mm
SUS304針金 φ0.55mm×2mm
ベルト幅 230 mm
表示方式 STN液晶
操作方法 フラットパネルキー
品種数 最大100品種
被検査品包装形態 アルミ箔包装品、アルミ蒸着包装品、一般包装品
ベルト速度 10〜90m/min(品種ごとに速度可変)
搬送能力 4Kg
金属検出時の処理方法 選別またはベルト停止および警報
電源・消費電力

 
AC100〜120V+10%−15%またはAC200〜240V+10%−15%、単相、50/60Hz、200VA、突入電流70A(typ)(20ms以下)
質量 130Kg
使用環境 0〜 40℃、相対湿度30〜85%、ただし結露しないこと
保護等級 IP66準拠
外装 ステンレススチール(SUS304鏡面仕上げ)
※実際に使用する場合の感度は、異物の種類、被検査品の物性(内  容物・形状など)や使用環境により異なる。
 
<KD8200AW検出原理>
 着磁部によって製品内の金属異物を着磁、検出ヘッドにより金属異物の着磁量を測定(磁気反射技術)し、鉄やステンレス注)など磁化されやすい金属異物の混入を判定する。着磁されにくいアルミ包材や製品自体の影響を受けないため、安定した金属異物の検出が可能となる。
<KD8200AWの特長>
●アルミ包材内の金属異物を検出
・鉄やステンレス注)など金属異物を着磁・検出するので、アルミ包材内に混入した金属異物を高感度に検出できる。
・アルミ包材同様に水分、塩分の影響を受けにくいので、製品の温度変化や塩分濃度に左右されない安定した金属異物の検出ができる。
●金属異物の形状や向きによらない高感度検出
・検出ヘッドを最適化することにより、従来は針金など方向によって感度が変化する異物でも、高感度で検出できる。
●ステンレスの高感度検出を実現
・当社独自の磁気反射技術により、従来検出が困難とされていたステンレス注)が高感度に検出できる。
●主な対象製品
・アルミ包材製品−チョコレート、ガム、レトルトパウチ、ふりかけ、袋入りスープ、鍋焼きうどん、ケーキ、プリン、ヨーグルトなど
・高塩分製品−味噌、漬物など
注)鉄、SUS430などの磁性金属と切削、曲げなど加工(応力)を受けたSUS304、
  SUS316などのステンレスの検出が可能である。
 
金属製異物の混入経路と選別機
 金属性異物は原料段階での混入、製造時に機械の部品や剥離片などの混入、工場内の工事で発生した金属片の混入、作業員の不注意からの混入などの可能性がある。具体的にはネジ、ボルト、クリップ、ホッチキスの針、カッターの刃、針金、銅線、金属性メッシュ網の破片、ワイヤーブラシ片、 ヘアーピン、指輪等のアクセサリー類などが考えられる。これらの混入は金属検出機で検査できるが、まずは混入しないように対策を講じることが第一である。
 金属混入品を検出しても、その商品の除去に失敗すれば不良品が流出することになる。選別機には次の3つの方式が一般的である。
・エアージェット方式
 混入品をエアーで吹き飛ばす方式で、軽い商品に適している
・ドロップアウト方式
 混入品をベルトから下に落下させる方式で、エアーで吹き飛ばせないような商品に適している
・フリッパ方式
  アームで流れ方向を変更する方式で、比較的重くて、衝撃を加えられない商品用

 

<金属検出機とX線異物検出機との比較>
  X線異物検出機 金属検出機
装置の大きさ

 
金属検出機と比較すると大きい
 
小型から大型まであるが、X線異物検出機と比較するとシンプルである
安全性



 
検出にX線を使用しているのでオペレータが被爆する危険性はゼロではない 危険なものは何もなく安全である
使用実績も長い

 
検出感度
 
Fe,SUS:0.3mmØ
針金類:0.28×2mm
Fe:0.6〜2.0mmØ
針金類:0.28×2mm
包材の影響

 
包材の厚みの違いで感度が変化する
こともある
包材の厚みによって感度が変化することは少ない
 
アルミ包材


 
アルミ蒸着でもアルミ箔構成でもほとんど問題なく検査できる アルミ蒸着は一般の機械で兼用できるが、アルミ箔用は検出方式が違うので別機になる
検出異物の種類

 
金属、石、骨、ガラス、硬い樹脂片の検出が可能 金属片のみ
SUS、真ちゅう等の合金類は感度が落ちる
針金の混入方向の影響 影響を受けにくい
 
最新機は影響を受けにくいものもある
内容品の水分・塩分の影響
 
影響を受けない

 
影響を受けやすい(最近では影響を受けにくものもある)
ランニングコスト
 
高価な部品交換を定期的に行う必要がある 高価な部品交換がないので、ランニングコストはほとんどかからない
本体価格

 
520万円〜800万円
 
安価なものは90万円くらいからある。アルミ箔用は200〜300万円
 
 
 
主な金属検出機メーカーのホームページと連絡先
○アンリツ産機システム株式会社
〒243-8555 神奈川県厚木市恩名1800番地 TEL 046-223-1111
○株式会社 イシダ
〒606-8392 京都市左京区聖護院山王町44番地 TEL 075-771-4141
○株式会社 システムスクエア
〒940-2127 新潟県長岡市新産3-5-2  TEL 0258-47-1377
○ニッカ電測株式会社
〒350-1155 埼玉県川越市下赤坂710  TEL 049-266-7311
○大和製衡株式会社
〒673-8688 兵庫県明石市茶園場町5番22号 TEL 078-918-5588
○日新電子工業株式会社
〒136-0071 東京都江東区亀戸1丁目29番13号 TEL 03-3683-5171
 
(参考文献)
  各金属検出機メーカーのカタログおよびホームページ

 

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