包装食品のX線異物検出機

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はじめに

  東京パック2004が10月5日から東京ビッグサイトで開催された。環境対応関連はさすがに前回よりは減ったが、異物検出機、ピンホールチェッカーなど、重大な消費者クレーム防止のための設備・機器の展示は多くみられた。なかでもX線異物検出機はメーカーが増え、よりコンパクトになり、価格も下がり、一層導入しやすくなった印象を受けた。そこで、X線異物検出機とはどんなものか、金属検出機との違い、コストはどうかなどについて解説する。

 

X線異物検出機とは

  X線異物検出機は軟X線を照射し、強弱を探知して異物を検出するものである。金属片はもちろんのこと、ガラス片・石片などの異物を検出自動選別するすることができる。
   弁当・食料品はもとより、原料・衣料品ほか様々なものに利用できる。

 

写真  アンリツ産機システムの標準機 KD7305AW

X線による異物検出の原理

   下にX線による異物検出の原理を示した。

図  X線による異物検出の原理

  コンベアで運ばれてくる食品や薬品に上からX線を照射し、X線の透過レベルを下のラインセンサで測定する。測定した信号を解析し、異物の混入を検出する。

表1.アンリツ産機システムの標準機KD7305AWの規格

形 名

KD7305AW

検出感度[注1]

金属球 φ0.3mm、金属ワイヤ φ0.28×2mm

X線出力

最大60 kV、210 W(電圧・電流可変)

安全性

漏洩X線量1μ Sv/ h以下安全装置によるX線漏洩防止

表示式

15インチカラーTFT液晶( X線透過画像表示画面と操作画面が一体)

操作方式

タッチパネル(タッチブザー付)

被検査品寸法[注2]

最大幅240 mm、最大高さ120 mm

ベルト幅

270 mm

マスキング機能

標準仕様

欠品検出機能

標準仕様

クリップチェック機能

標準仕様

品種数

最大 100品種

ベルト速度

5〜90 m/min

搬送能力[注3]

最大5kg(ベルト速度60 m/分以上は2kg)[オプションで10kg(5〜40 m/ min)]まで対応

電源・消費電力

AC200 V±10 %、単相、50/60Hz、1 kVA、突入電流80 A(typ)(5 ms)

質量

230kg

使用環境

0〜35℃(オプションクーラ搭載時0〜40℃) 相対湿度30〜85%、但し結露しないこと

保護等級

IP66準拠(コンベア部、その他はIP42準拠)、ベルトはワンタッチ着脱可能

外装

ステンレススチール(SUS304)

[注1]実際に使用する場合の検出感度は、異物の種類、被検査品の物性(内容物・形状など)や使用環境により異なる。

[注2]被検査品の長さにより、入口、出口部分にカバーが必要になる場合がある。

[注3]コンベア上の被検査品質量の合計

X線異物検出機の特徴および機能

■高感度検出

・鉄(Fe)、ステンレス(SUS)などの異物をきわめて微小なサイズまで探し出すことができる(表2X線異物検出機と金属検出機との感度比較例を示した)。

・骨、貝殻、石、ガラス、ゴム、プラスチック片などの金属以外の異物を検出できる

・ブロック肉内の骨片を検出

・冷凍食品の解凍具合など、温度差によって検出感度が変わらないため、製品の温度管理が容易

表2.X線異物検出機と金属検出機との感度比較例

X線異物検出機

(KD7305AW)

金属検出機

異物のみの場合

Fe球

φ0.3 mm

φ0.4 mm

SUS球

φ0.3 mm

φ0.7 mm

ウィンナ

Fe球

φ0.6 mm

φ1.0 mm

SUS球

φ0.6 mm

φ2.0 mm

SUSワイヤ

0.28 ×2.0 mm

φ2.0 mm

厚み 1.0〜2.0mm

検出不可

アルミ包材食品

Fe球

φ0.5 mm

φ2.0 mm

SUS球

φ0.5 mm

検出不可

厚み 1.0〜2.0mm

検出不可

※実際に使用する場合の検出感度は異物の種類、被検査品の物性(内 容物・形状など)や使用環境により異なる。

■アルミ包材食品内の異物を検出

・アルミ包材、アルミ缶詰、ビニール包材などの食品内の異物を検出可能。

・食品の含有塩分量に左右されないため、ウェット

食品も高感度で検出。

■マスキング機能

 包装の金属クリップや容器など異物の検出に不要な部分を自動マスキングして、より高感度な異物検出が行える。

■クリップチェック機能

 ソーセージやチーズのように、両端に金属クリップがある製品では、異物検出とクリップの抜けチェックが同時に行える。

■欠品検出機能

 食品内の異物検出と品物の欠品チェックを同時に行なえるため、品質管理の大幅な効率アップがはかれる。

 

X線異物検出機の価格と納期(金額は概算なので確認が必要)

・本体(小型品) 520万円

(比較)金属検知機はドライ食品用で約100万円

・付帯設備(選別機など)約50万円

・消耗品 X線管と受け部(ラインセンサー)は4 〜5年で交換する必要があり、60〜80万円

・豊富なオプションが用意されている

・納期 約1ヶ月

 

X線異物検出機の種類

 一般の固形物・包装品用(標準機)以外に、流体用、大型被検査物用もある

▽パイプ式流体用

・パイプ内を移動する流体をノンストップで検査

・水と混合して被検査品を搬送する流体を対象

・HACCP対応

 オールステンレス仕様のX線異物検出機本体

 パイプのワンタッチ着脱

 パイプ搬送式の検出部分(IP66 準拠)は水洗い可能

▽大型機

・異物検出の難しい大型製品で異物検出が可能

・小麦粉(厚さ120 mm)内のφ1.0 の金属を検出

・幅690 mm × 高さ250 mmの開口部

・コンベア往復による簡単オート設定

・ベルト・ローラは簡単着脱が可能

・清掃しやすい観音開き構造のコンベアカバー

・主な対象製品

 小麦粉などの大型クラフト袋入り製品、加工工程の大型チーズ、ブロック肉、ダンボール、ばんじゅうなど

 

オペレータへの安全性対策

・X線照射ON/OFFキー

 キーをOFFにすることにより、X線の照射は完全に止まる。

・X線遮蔽カバー

 X線の照射が完全に止まっている時しか開閉できない。

・X線照射表示

 X線照射中、ランプが点灯する。

・手挿入監視センサ

 一定時間センサが遮断された場合、X線照射が止まる。

・漏洩防止カーテン

 X線の漏洩を防止する。

・X線遮蔽カバー開閉装置

 X線遮蔽カバーの開閉を検知するセンサ。

 

X線異物検出機の法的設置条件

・X線異物検出機を導入する際には、当該地域を管轄する労働基準監督署長設置1ヶ月前までに届け出ることが必要。

・X線異物検出機は消防法危険物などに該当する部品を使用しており、廃棄する際にはメーカーに相談すること。

・X線異物検出機は日本国内仕様であり、X線異物検出機を輸出または日本国外に持ち出す場合は日本国政府の許可が必要である。

 

主なX線異物検出機メーカー

○アンリツ産機システム株式会社

 神奈川県厚木市恩名1800

TEL 046−296−6700

 http://www.anritsu-industry.com/J/Products/

○株式会社 システムスクエア

  新潟県長岡市新産3−5−2

  TEL 0258−47−1377

 http://www.system-square.co.jp/

○日新電子工業株式会社

 東京都江東区亀戸1丁目29−13

 TEL 03−3683−5171

 http://www.nissin-elc.co.jp/

○ニッカ電測株式会社

 埼玉県川越市下赤坂710

  TEL 049−266−7311

 http://www.nikka-densok.co.jp/

○株式会社 イシダ

 京都市左京区聖護院山王町44

 TEL 075−771−4141

 http://www.ishida.co.jp/

 

 

(参考文献)

  各メーカー(特にアンリツ産機システム)のカタログおよびホームページ

 

 


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